太平洋航空博物館の方はまだまだご紹介しきれない機体がたくさんありますので、後日
改めてご紹介したく思います。
という訳で、ハワイ旅行のトリを飾るのは、ハワイ王朝、栄華の跡であるイオラニ宮殿です。
現在、ハワイはアメリカ合衆国の50番目の州として認知されていますが、かつてはハワイ人
の王が治める独立国家で、我が国を含めた各国から承認を受けていました。
ハワイ諸島を統一したハワイ王朝の初代国王カメハメハ1世から数えて7代目のカラカウア王
が築かせた宮殿がイオラニ宮殿です。
イオラニ宮殿は地上2階、地下1階の王宮です。
この階段は2階に通じていますが、2階は王室のプライベートなスペースでした。
こちらは謁見の間。
地下1階は執事が召使が食事の用意などを整える炊事場や倉庫になっていました。
王宮の秘宝の数々。
しかし、王権にあかせて作らせた宝石というよりも、諸外国から儀礼的に贈られた勲章の
ようなものがほとんどでした。
こちらの玉座はカラカウア王の腰かけたものでしょうか?
カラカウア王即位の際に用いられた戴冠式台も庭園内にありました。
王室に忠節を誓う近衛兵が詰めた兵舎も残っています。
カラカウア王は「陽気な君主」と綽名され、我が国を初めて訪れた国家元首である一方、
イオラニ宮殿建設による負債や、アメリカ人入植者によるクーデターによって国家元首と
しての実権の多くを失い、療養先のサンフランシスコで亡くなりました。
やがて、妹で後継者のリリウオカラニ女王が即位しましたが、アメリカ人入植者による
策動は止まるところを知らず、本国からの艦隊や武器援助を背景にした共和政派
(実質はアメリカ人入植者の覇権を目指すグループ)は王制廃止と臨時政府の樹立を
宣言してイオラニ宮殿を包囲、リリウオカラニ女王は退位を宣言する誓約書にサインさせられ、
ここにハワイ人による立憲王国、ハワイ王朝は滅亡したのでした。
1898年、アメリカは自治領としてハワイを併合、1959年にハワイ州となりました。
イオラニ宮殿はリリウオカラニ女王の幽閉場所として用いられた後、ハワイ州の庁舎
等としても使用され、現在は博物館として公開されています。
(完)