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元寇で活躍の領主に600年後官位贈呈 五島の観光歴史資料館に展示

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元寇で活躍の領主に600年後官位贈呈 五島の観光歴史資料館に展示 [2012年09月04日(Tue)]

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600年後に贈られた官位を示す書状

 いまから730年以上前の2回、アジアからヨーロッパにまたがる大帝国を築いた元(現在のモンゴル)が日本に攻めてきた。日本を震撼とさせた元寇(蒙古襲来)は教科書でも詳しく紹介され、鎌倉時代の歴史の中でもよく知られている史実だ。特に2度目の弘安の役(1281)で伊万里湾・鷹島(現在の長崎県松浦市)沖に沈没した元軍の船から引き揚げられた出土遺物や600年後に当時の領主に贈られた官位伝達の書状などを展示し、元寇とは何かを考える五島観光歴史資料館(長崎県五島市)の企画展「元寇物語」~玄海灘に沈んだ蒙古襲来の記憶~(7月20日―8月31日)が好評のうちに終わった。
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風格ある観光力士資料館の建物

 弘安の役では五島の5代領主、宇久競(1234-1282)が出陣し、軍功を挙げたといわれ、歴史資料館の学芸員、出口健太郎さんは以前から元寇展をやりたいと企画を練っていたという。元寇の歴史を知る上で貴重な資料となる鷹島沖の遺物は、1980年から3年計画で調査と引き揚げ作業が行われ、見つかった約3000点の多くが松浦市歴史民俗資料館に展示されている。今回の企画展(日本財団支援の海と船のネットワーク加盟)は松浦市の全面協力を得ており、陶磁器や石弾などの資料31点やパネルなど計50点が展示された。出口さんは「知識としてあった元寇の歴史を、現物で見られたのはよかったようです」と入館者の様子を話した。

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会場入り口で、学芸員の出口さん/展示場内の光景

 7月28日には、鷹島沖の調査を担当した長崎県教委学芸文化課の高野晋司さんが「蒙古襲来の史実 鷹島海底遺跡が語るもの」という講演を行い、60人の歴史ファンが熱心に耳を傾けた。宇久競は、弘安の役で大きな功績があったと伝えられているが、その裏付けとなる記録はほとんどないという。なぜか、没後600年以上が過ぎた1916年(大正5)12月28日付で当時の宮内大臣(宮内省の長官)から「正五位」が贈られ、企画展にもその官位伝達の書状が展示され、関心を集めた。


 
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鷹島で見つかった石弾

この書状は2011年から4年計画で進められている五島家の改造に伴って見つかった数千点の古文書の中に含まれていた。これらの古文書は歴史資料館に一括寄贈され、現在整理分類作業中だ。これが終われば同館で公開する予定で、出口さんは「明治から昭和にかけての写真や手紙がかなり残っており、五島の歴史を理解するうえで貴重な資料です」と語っている。(石井克則)
http://blog.canpan.info/koho/archive/1840

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