丹波市立水分れ資料館
印刷用ページを表示する 掲載日:2013年1月24日更新
本館は、標高100mを切る本州で最も低い谷中の中央分水界がある氷上町石生・水分れの地勢・歴史を紹介する目的で設立されました。
水分れ周辺の地形・地質、魚類を中心とした生物の生態・分布、加古川舟運の歴史等にテ-マをしぼり、解説展示がなされています。
特に現在は絶滅しましたが瀬戸内海側水系と、日本海側水系の河川争奪の生きた証左とされる「ミナミトミヨ」についてはその標本とともに詳しく紹介され、その他の固有種も含め魚類の分布から水分れの地勢が詳しく解説されています。
水分れ周辺の地形・地質、魚類を中心とした生物の生態・分布、加古川舟運の歴史等にテ-マをしぼり、解説展示がなされています。
特に現在は絶滅しましたが瀬戸内海側水系と、日本海側水系の河川争奪の生きた証左とされる「ミナミトミヨ」についてはその標本とともに詳しく紹介され、その他の固有種も含め魚類の分布から水分れの地勢が詳しく解説されています。
トミヨ
トミヨ分類種
イバラトミヨ(Pungitius pungitius) | |||||||||||||||||||||
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本文参照 |
冷帯を中心に分布し、世界で10種程度が知られ、日本にも数種が分布している。一般には、海水、汽水、淡水に生息するが、きれいな冷水(15度前後)を好むため、日本では北海道など以外では、水温の低い湧水池やそれに程近い流域などの淡水環境に生息している。このため、水質の変化や渇水の影響を受けやすい。各地で絶滅の危機に瀕している場合があり、美しい自然のシンボルとして保護活動が行われている。
背ビレの前半では、棘の間に膜がなく、ヒレではなく棘が並んでいる状態。棘の数は種によって7~10本。
産卵期(4 - 6月)になると、オスが水草類を集めて、水中にピンポン玉状のような大きさ数cmの巣を作り、メスを誘う。メスが巣の中に産卵すると、オスが受精させ、その後、オスは食べ物を摂らず、卵を守り、巣の中に新鮮な水を送るなどの世話をする。この仲間のオスがメスよりも短命なのは、この子育てが原因であるという説がある。
ミナミトミヨ
- 学名:Pungitius kaibarae。
- 1960年代までに絶滅したと考えられている日本固有種。京都府、兵庫県の瀬戸内海側の流域、特に湧水の付近の小川や水田などから見つかっていた。一生を淡水で過ごすと考えられている。体長 4cm程度。ミナミトミヨをトミヨの亜種とする説もある。その場合の学名は P. sinensis kaibarae。
- 絶滅(環境省レッドリスト)
淡水魚類
トゲウオ目 トゲウオ科
トゲウオ目 トゲウオ科
ミナミトミヨ
Pungitius kaibarae (Tanaka)
京都府カテゴリー2002年版環境省カテゴリー京都方言絶滅種 |
絶滅種 2002年版を参照する |
絶滅(EX) |
サバジャコ |
京都府南西部に生息していたが、1960年代以降記録がない。 |
体長2~4cm。背鰭棘はⅧ~Ⅸで、各鰭の棘は短く、鰭膜は黒い。体側の鱗板は完全。 |
京都府桂川水系と兵庫県加古川水系。朝鮮半島の日本海側にも分布する。 ◎府内の分布区域 府内では南西部の七条村、吉祥院村、久世村、乙訓郡鶏冠井中の池・植野新堀(以上旧称)に分布していた。 |
全生活史を淡水で過ごす。湧水を水源とする水田・芹田・小川に生息。オスは鳥の巣状の巣をつくり卵仔稚を保護する。 |
兵庫県では1930年代、京都府では1960年代に絶滅したと言われる。 |
湧水の枯渇、過度の農薬散布、圃場整備による生息場所の消失が絶滅の原因と考えられる。 |
湧水の確保、生息場所の保全・回復を図る必要がある。絶滅した現状では残された標本の確保と管理が望まれる。 |
種小名は兵庫県柏原町に因んでつけられたものであるが、タイプ産地は京都市南区吉祥院で、タイプ標本は東京大学総合博物館に保管されている。その他、京都大学、同志社大学、大阪市立自然史博物館に合わせて約100個体の標本が保管されている。現存する朝鮮半島産の個体群と分類学的に比較検討する必要がある。 |
執筆者 細谷和海
お問い合わせ先:京都府環境部自然環境保全課
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絶滅種の淡水魚「ミナミトミヨ」を捜せ
2012年07月15日丹波市内で昭和初期まで生息し、 1960年代に日本産魚類では絶滅種第1号の淡水魚と指定された 「ミナミトミヨ」 の捜索活動を、 柏原ロータリークラブ内で組織された 「ミナミトミヨわくわく委員会」 (保尾洽三委員長、 13人) が行っている。 これまでに寄せられた情報から市内の湧水地などを調べている。 今後は周知活動として講演会なども開く。 保尾委員長は 「見つかれば、 一昨年発見され、 話題を呼んだクニマス (国鱒) 以来の出来事になる。 住民はミナミトミヨの名前は知っていても、 その生態を知らないことが多い。 一連の活動で伝えられれば」 と話し、 過去の生息情報や湧水地の場所などの情報を求めている。
ミナミトミヨはトゲウオ科の1種で、 学名は 「柏原産」 を意味する語句がある 「ピゴステウス・カイバラエ」。 1915年(大正4)、 氷上町で旧制柏原中学校 (柏原高校) の生徒が見つけ、 当時、 日本の魚類学の権威が 「日本魚類の10新種」 として発表した経緯がある。
水温17度以下の冷水にしか生息できず、 きれいな湧き水が絶えず流れている所に生息したとされる。 体長は3―5センチほど。 トゲのような背びれと横腹に一列となったウロコが特徴で、 地元丹波では 「カツオ」 と呼ばれていた。
かつて生息が確認されていた氷上町成松では、 葛野川の伏流水が流れる水路に分布していたが、 大正期に行われたほ場整備などの環境変化で伏流水がかれ、 昭和初期には姿を消した。
かつて生息が確認されていた氷上町成松では、 葛野川の伏流水が流れる水路に分布していたが、 大正期に行われたほ場整備などの環境変化で伏流水がかれ、 昭和初期には姿を消した。
2年前、 同クラブはミナミトミヨについての講演会を開催。 講師から 「ミナミトミヨに目を向けてください」 と、 呼びかけられたのがきっかけになり、 同委員会を設立した。 5月には捜索情報を求めるビラを市内に配布。 これまでに2件の過去の生息情報が寄せられたが、 有力ではなく、 市内の湧水地などを調べている。 同委員会は今後も調査を続ける予定。
保尾さんは 「あわよくば見つかってくれればという心境で、 捜索している。 今後も捜索を続ける一方で、 ほ場整備や河川改修で湧水地が絶え、 居場所がなくなったミナミトミヨの生態を伝えることで、 水保全の大切さを伝えたい」 と話している。
保尾さんは 「あわよくば見つかってくれればという心境で、 捜索している。 今後も捜索を続ける一方で、 ほ場整備や河川改修で湧水地が絶え、 居場所がなくなったミナミトミヨの生態を伝えることで、 水保全の大切さを伝えたい」 と話している。
開館時間
午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
休館日
毎週月曜日(祝日の場合はその翌日)
12月29日~1月3日
12月29日~1月3日
入館料
大 人 200円 (団体100円)
小中学生 50円 (団体 30円)
※団体は20人以上
小中学生 50円 (団体 30円)
※団体は20人以上
交通案内
JR福知山線石生駅より徒歩10分
舞鶴若狭自動車道春日インターより南へ5分
舞鶴若狭自動車道春日インターより南へ5分
所在地〒669-3464
兵庫県丹波市氷上町石生1155
丹波市立 水分れ資料館
電話 0795-82-5911
兵庫県丹波市氷上町石生1155
丹波市立 水分れ資料館
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