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現代人に受け継がれたネアンデルタール遺伝子

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現代人に受け継がれたネアンデルタール遺伝子(最新の研究による)

2010年5月7日のサイエンス誌に、アフリカのネグロイドを除く現生人類の核遺伝子には絶滅したネアンデルタール人類特有の遺伝子が1 - 4 %混入しているとの研究結果が発表された[3]。これは、現生人類直系祖先であるホモ・サピエンスが出アフリカした直後すなわち10 - 5万年前の中東地域で、そこに既に居住していたネアンデルタール人類と接触し、混血したこと、一方でアフリカ大陸を離れなかった現生人類はネアンデルタール人類と接触しなかったことによる。 すなわち、出アフリカ後の中東で混血しその後にヨーロッパやアジアなど世界中に拡がった現生人類は、約3万年前に絶滅してしまったネアンデルタール人の血を数パーセント受け継いでいることが明らかになった[32]
さらに2014年の研究では、ホモ・サピエンスがネアンデルタール人と混血したのは今から6万年くらい前のこととしている[33][34]。 ネアンデルタール人からの混入遺伝子は、現生人類の皮膚形成などの繁殖に重要でない遺伝子部分に細分化されて多く残っており、白っぽい皮膚、金髪赤毛青い目などはネアンデルタール人から受け継いだ可能性が高いとしている[35]
またこれとは別に、シベリアのアルタイ山脈の遺跡で発見されたデニソワ人はネアンデルタール人の兄弟種にあたり、現生のアジア民族特にポリネシア人メラネシア人にはデニソワ人遺伝子も混入しているとの研究が、2010年12月に発表されている[36]

免疫に関わるいくつかの遺伝子はネアンデルタール人とデニソワ人からの「プレゼント」だったと今年の1月に明らかになった遺伝学の科学誌「The American Journal of Human Genetics」で独の研究チームが発表した。

人類の進化でエポックメイキングな最近の発見といえば、ヒトが絶滅させたと考えられている
ネアンデルタール人と人間が交配していたことと第3の人類デニソワ人の発見だ。この3種は50万年前に共通祖先から分かれたと考えられ、ネアンデルタール人は ヒトより数十万年前にアフリカを出て主にヨーロッパに広がった。ネアンデルタール人をヒトが滅ばして、人類の中でヒトだけが今の繁栄を築いたわけだ。

独・マックスプランク研究所のJanet Kelsoのチームは現代人の遺伝子の中に、ネンデルタール人やデニソワ人との交配によって残り続けている「彼ら」の遺伝子をさがしていた。目をつけたのがTLRの遺伝子。これまでの研究データもとにピックアップした。TLR(Toll Like Receptor)は
細胞の表面にニョキニョキと生えているタンパク質。免疫で非常に重要な役割を果たす。

体を外敵から守るには、まず外敵の侵入を関知しなくてはならない。この防犯センサーの役割を担うのがTLRというタンパク質なのだ。体内に侵入した細菌や菌類、寄生虫の一部がこのTLRにくっつくとセンサーが作動し、外敵をやっつける細胞が集まったりと、さまざまな免疫システムが動く仕組みだ。

複数あるTLRのうちTLR1とTLR6、TLR10は染色体上に隣接している。ネンデルタール人やデニソワ人の3つのTLRを含む領域を現代人と比較する。ヨーロッパ人と東アジア人、アフリカ人など現代人の14集団のこの領域を調べると7つのタイプに分類された。このうち2つがネンデルタール人由来、ひとつがデニソワ人由来だと判明する。

理論的にはヒトより数十万年先にアフリカを出て、中東を経由してヨーロッパに広がったネアンデルタール人の遺伝子は、アフリカに残った祖先由来のアフリカ人には存在しない。調べると、確かにアフリカ人にはネンデルタール人由来のTLRを含む領域がほとんどみられなかった。
このように、現代人のTLRを含む領域のゲノム配列を詳細に調べ比較してネンデルタール人とデニソワ人由来だと突き止めた。そして、機能が非常に重要性なので、数万年という自然選択を受けてもほとんど変わらずに高頻度で残っていたと考えた。

実はこのネアンデルタール人由来のTLR1とTLR6、TLR10遺伝子を最も多く持つのが日本人。
どの集団よりも高く、約51%が持っていた。


ネアンデルタール人の特徴

1888年時点の最初期の復元図(原人的特徴を強調しすぎとの批判[誰?]もある)
現生人類(左)とネアンデルタール人(右)の頭蓋骨の比較写真
現生人類(左)とネアンデルタール人(右)の頭蓋骨の比較図
典型的なネアンデルタール人類の骨格は、上記のラ・シャペローサンからほとんど完全な老年男性のものが発見されたほか、西アジア東欧からも良好な化石が出土している。それらに基づくネアンデルタール人類の特徴は次のようなものである。
  • ネアンデルタール人の容量は現生人類より大きく、男性の平均が1600 cm3あった(現代人男性の平均は1450 cm3)。しかし、頭蓋骨の形状は異なる。脳頭蓋は上下につぶれた形状をし、前後に長く、は後方に向かって傾斜している。また、後頭部に特徴的な膨らみ(ネアンデルタール人のシニョン)がある。なお、性差人種差を除外した同質な人類集団の中では脳の大きさは知能指数相関係数0.4程度の相関があることが知られる[10]。このことから、現生人類と比較しても遜色のない知能を有していた可能性もある。[独自研究?]
  • 顔が大きく、特に上顔部が前方に突出して突顎である。鼻根部・先端部共に高くかつ幅広い。これらの形質に呼応して上顔部は現生人類のコーカソイドと同じか、さらに立体的(顔の彫が深い)である。顔の曲率を調べる方法の一つとして「鼻頬角(びきょうかく)」があり、これは左右眼窩の外側縁と鼻根部を結ぶ直線がなす角度で、コーカソイドで136度から141度であり、モンゴロイドでは140度から150度であるが、ネアンデルタール人類では136.6度であった。他に、の部分が張り出し、眼窩上隆起を形成している。また、(おとがい)の無い、大きく頑丈な下顎を持つ。
  • 現生人類と比べ、の奥(上気道)が短い。このため、分節言語発声する能力が低かった可能性が議論されている。
  • 四肢骨は遠位部、すなわちであれば前腕下肢であればの部分が短く、しかも四肢全体が躯体部に比べて相対的に短く、いわゆる「胴長短脚」の体型で、これは彼らの生きていた時代の厳しい寒冷気候への適応であったとされる。
  • 男性の身長は165cmほどで、体重は80kg以上と推定されている。[要出典]骨格は非常に頑丈で骨格筋も発達していた。
  • 成長スピードはホモ・サピエンスより速かった。ただし寿命性的成熟に至る年齢などは、はっきりとしない。1歳2ヶ月ほどで乳離れをしており、出産間隔も短かったとの説がある[11]
以上のような相違点はあるものの、遠目には現生人類とあまり変わらない外見をしていたと考えられている。また、思春期に達して第二次性徴が現われるまではネアンデルタール人としての特徴はそれほど発現せず[12]、特に女性の場合には(ネアンデルタール人類に限らず、現生人類を含む全ての進化段階で)形質の特殊化が弱いと考えると、我々現生人類はネアンデルタール人から見て幼児的・女性的に見えたかもしれないとも指摘されている[13]
その他、高緯度地方は日射が不足するため黒い肌ではビタミンDが不足してしまうこと[14]、およびDNAの解析結果より[15][16]、ネアンデルタール人は白い肌で赤い髪だったとの説がある。

文化

ネアンデルタール人の石器
彼らの文化はムステリアン文化と呼ばれ、旧石器時代に属している。また、この項目で記されている内容は、ネアンデルタール人の生息年代や生息地域が広大であることからも分かるように、全ての時代・地域で共通してみられる文化であることを必ずしも意味しない。

石器

ネアンデルタール人は、ルヴァロワ式と呼ばれる剥片をとる技術を主に利用して石器を制作していた。フランソワ・ボルドは石器を60種類ぐらいに分類しているが、実際の用途は非常に限られていて、狩猟用と動物解体用に分類できる。左右対称になるよう加工されたハンドアックス(握)や、の先にアスファルト接着させ穂先とし、狩りに使用したと考えられている石器などが発見されている[17]

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