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観光の現状(国土交通白書 2013)

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観光の現状

(1)国民の観光の動向
 平成23年の国内宿泊観光旅行の平均宿泊数は2.08泊、帰省・ビジネスも含めた国内宿泊旅行の消費額は約15.1兆円であり、22年(それぞれ2.09泊、約15.8兆円)に比べ宿泊数、消費額共に減少した。他方、23年の海外旅行消費額は約4.5兆円と、22年(約4.7兆円)に比べてほぼ横ばいであった。
 また、24年の海外旅行者数は、前年比8.8%増(約150万人増)の約1,849万人となった。

(2)外国人の訪日旅行の動向
 平成24年の訪日外国人旅行者数は、約837万人(対前年比35%増、対前々年比3%減)となり、年別では過去最高を記録した22年の約861万人に次ぐ第2位であり、市場全体としては、震災等の影響からほぼ回復した。
 また、市場別では、中国、台湾、タイ、マレーシア、インドネシア、ベトナム、インドが過去最高を記録した。国籍・地域別では、韓国が約204万人(対前年比23%増、対前々年比16%減)、次いで台湾が約147万人(対前年比48%増、対前々年比16%増)、中国が約143万人(対前年比37%増、対前々年比1%増)の順となっている。
 なお、24年の訪日外国人旅行消費額は、前年比約35.5%増(約2,726億円増)の約1兆861億円となった。

(3)観光産業の動向
1)旅行業
 平成23年度の主要旅行業者58社の取扱額は、前年度比0.5%減の約6兆490億円となった。
 海外旅行については、前年度比2.0%増の約2兆2,345億円、国内旅行については、前年度比1.4%減の約3兆7,670億円となった。また、訪日外国人旅行については、前年度比25.3%減の約473億円となった。

2)ホテル・旅館業
 平成23年度の主要登録ホテル・旅館の客室利用率は、ホテルで67.8%(前年度比4.5%減)、旅館で57.8%(同2.1%減)となった。また、主要登録ホテル・旅館のうち、黒字施設の割合は、ホテルで47.9%(前年度比2.9%増)、旅館で43.3%(同0.4%増)となった。
 
 
 
国際競争力の高い魅力ある観光地域の形成

(1)滞在交流型観光の推進
 「観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する法律(観光圏整備法)」に基づき、観光地域同士が連携し、国内外の観光客による2泊3日以上の滞在交流型観光に対応できる区域として「観光圏」の整備を促進しており、平成24年度までに観光圏整備実施計画を49件認定している。あわせて、市場と地域との窓口機能等を担う事業体「観光地域づくりプラットフォーム」の形成に向け、滞在プログラムの企画・販売、人材育成等を行う取組み等の支援を行っている。
 また、観光を軸とした地域づくりの取組みを国の所管の事業や施策により総合的に支援する「観光地域づくり実践プラン」の認定を行い、観光圏整備の促進に係る社会資本整備等の支援を行うとともに、各観光圏において観光と社会資本整備の関係者による連絡会議を開催し、社会資本整備等の改善に向けた現地調査や具体的な対応方策等に関する意見交換を推進しており、25年3月までに19の観光圏において現地調査を実施した。
 さらに、「観光圏の整備による観光旅客の来訪及び滞在の促進に関する基本方針」を改正し、25年3月から施行したところであり、今後、同基本方針に基づき、更なる滞在交流型観光の推進を図ることとしている。

(2)外客受入環境の充実
 訪日外国人旅行者数を将来的に3,000万人とすることを目標とした「訪日外国人3,000万人プログラム」の達成には、海外市場でのプロモーションと並んで、国内における受入環境の整備が喫緊の課題となっている。このため、平成24年度は、訪日外国人旅行者が安心して快適に移動・滞在・観光することができる環境を提供することにより、訪日外国人旅行者の訪問を促進するとともに、満足度を高めることによりリピーターの増加を図るため、戦略拠点・地方拠点として選定された全国45地域のうち、35地域で受入環境整備事業を行った。これにより、地域での自立的な受入環境の整備及び他地域への普及を図るとともに、日本在住の留学生等を受入環境整備サポーターとして観光地等へ派遣し、受入環境整備が遅れている部分に対して、外国人目線による改善策を提案してもらうことで、自主的な訪日外国人旅行者の受入環境整備を促進した。
 また、外国人観光案内所の質を向上することなどにより、訪日外国人旅行者の利便性、満足度の向上を図るため、外国人観光案内所の認定制度を導入し、24年度には全国342箇所を認定することで、外国人観光案内所のネットワークを構築した。さらに、東日本大震災を踏まえ、自然災害等緊急時においても訪日外国人旅行者が安心して旅行できる環境を整備するため、訪日外国人旅行者を対象にウェブサイトを用いて正確な情報を迅速に提供するための仕組みを構築した。
 外国人旅行者のニーズの多様化に的確に対応するため、「総合特別区域法」に基づく通訳案内士以外の者による有償ガイド行為を可能とする特例措置の着実な実施を図るとともに、通訳案内士の専門性を高めるための研修等、ガイドの質の向上に関する事業を行い、通訳案内士制度の充実を図った。
 他方、「国際観光ホテル整備法」に基づき、ハード・ソフトの両面から外国人旅行者の宿泊に適したホテル・旅館の登録を行っており、24年12月末現在、1,015軒のホテル及び1,650軒の旅館が登録されている。
 

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