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住民からは「罰当たりだ」 文化財調査せず県道工事 佐賀土木事務所保護法に違反

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文化財調査せず県道工事 佐賀土木事務所保護法に違反

2015年02月20日 08時37分
県内4カ所、対応協議
 佐賀土木事務所による県道佐賀外環状線工事で、遺跡がある「埋蔵文化財包蔵地」を開発する場合に義務付けられた教育委員会への事前通知を怠り、必要な確認調査をしないまま工事を実施していたことが19日、分かった。佐賀市と小城市の計4カ所で、文化財保護法に違反し、遺跡に影響を及ぼした可能性もあるという。工事を一時中断し、周辺を試掘して調べている。
 土木事務所によると、通知を怠り工事したのは、佐賀市久保泉町の弥生時代から中世にかけての集落跡などがある複数の遺跡と、小城市三日月町織島の縄文時代から中世にかけての土器散布地がある複数の遺跡。
 別に佐賀市内2カ所でも市教委への通知を怠って工事しており、一時中断し対応を協議している。県土づくり本部の長谷川定副本部長は「埋蔵文化財の保存に努力されている関係者と県民の皆さまにおわびします」と陳謝した。他に同様の事案がないか調べている。
 埋蔵文化財包蔵地を開発する場合、事業部局は事業概要を記載した調書を県教委文化財課に提出する必要がある。
 佐賀市久保泉町のバイパス工事では、昨年12月に県や市の教育委員会との協議会で通知が必要との指摘を受けたが工事を継続した。1月末に市教委が工事を中断させ、今月16日から確認調査に入った。小城市三日月町の道路拡幅工事でも、昨年7月に市教委から未通知と指摘されたが対応せず、10月に工事を終えた。市教委は周辺状況から確認調査は必要ないと判断した。
 この2カ所は共に担当職員の引き継ぎがうまくいかず、事業概要を通知しなかったと釈明している。佐賀土木事務所は「法に基づく事前通知の重要性を理解しておらず、工事後に通知すればいいとの認識で、組織的な問題があった」と述べた。今後は全事業を文化財協議の対象にする。



発掘調査経ず宅地開発 滝沢の狐洞遺跡周辺

滝沢市鵜飼狐洞(きつねほら)の市指定史跡「餓死供養塔」周辺で、地下に「狐洞遺跡」の遺構があるとされる土地が、発掘調査を経ずに宅地開発されていたことが19日分かった。市教委は「文化財として県に登録していないため文化財保護法違反に当たらない」とするが、文化財関係者は遺跡の存在を認識しながら届け出を行わなかった市教委の対応を疑問視。文化財保護に対する同市の姿勢が問われている。
 供養塔は4基あり滝沢ニュータウンの北東に位置。過去に縄文時代などの遺構が見つかった狐洞遺跡の一部に当たる。だが昨年度、所有していた市が土地を売却し、狐洞土地区画整理組合(沢村繁理事長)が宅地開発。既に住宅が建っている。
 供え物や周辺の清掃を続ける近所の女性(86)は「事前の説明もなく開発が進んでいった」と困惑。住民からは「罰当たりだ」との声も聞かれ、市関係者でさえ「参拝者の心を考えると、文化財保護行政として大きな後退だ」と疑問視する。
 文化財保護法では工事などの目的で「周知の埋蔵文化財包蔵地」を発掘する際は届け出が必要で試掘調査が必要なこともある。「周知」とは遺跡が見つかった市町村が県に発見届を提出し、登録済みであることを指す。しかし市教委は狐洞遺跡を県に登録しておらず、「周知の包蔵地ではない」としている。

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