有明海及び八代海等を再生するための特別措置に関する法律
第一条
この法律は、有明海及び八代海等が、国民にとって貴重な自然環境及び水産資源の宝庫として、その恵沢を国民がひとしく享受し、後代の国民に継承すべきものであることに鑑み、有明海及び八代海等の再生に関する基本方針を定めるとともに、有明海及び八代海等の海域の特性に応じた当該海域の環境の保全及び改善並びに当該海域における水産資源の回復等による漁業の振興に関し実施すべき施策に関する計画を策定し、その実施を促進する等特別の措置を講ずることにより、国民的資産である有明海及び八代海等を豊かな海として再生することを目的とする。
有明海・八代海 再生特別措置法について
近年、有明海と八代海では、海水の富栄養化、底質泥化、有機物のたい積など、海域環境の悪化が進んだ結果、赤潮の増加や貧酸素水塊の発生が確認され、漁業資源への多大な影響が確認されています このような状況を踏まえ、私たちにとって貴重な自然環境及び水産資源の宝庫である有明海及び八代海の、再生へ向けた法制度が整備されました。この法律では、「有明海及び八代海の再生に関する基本方針」を定めることや、海域特性に応じた環境保全及び改善、水産資源の回復等による漁業振興に関する事項が組み込まれています。
- 「有明海及び八代海を再生するための特別措置に関する法律
- http://www.mlit.go.jp/pubcom/03/pubcom1/pubcom1_2.pdf
- 「有明海及び八代海の再生に関する基本方針」
- http://www.env.go.jp/water/heisa/ariake/hoshin.pdf
- 指定地域
- http://www.env.go.jp/water/heisa/ariake/shitei.pdf
- 指定地域図
- http://www.env.go.jp/water/heisa/ariake/shitei_zu.pdf
有明海及び八代海等を再生するための特別措置に関する法律
最終改正:平成二三年八月三〇日法律第一〇五号- 第一条 この法律は、有明海及び八代海等が、国民にとって貴重な自然環境及び水産資源の宝庫として、その恵沢を国民がひとしく享受し、後代の国民に継承すべきものであることに鑑み、有明海及び八代海等の再生に関する基本方針を定めるとともに、有明海及び八代海等の海域の特性に応じた当該海域の環境の保全及び改善並びに当該海域における水産資源の回復等による漁業の振興に関し実施すべき施策に関する計画を策定し、その実施を促進する等特別の措置を講ずることにより、国民的資産である有明海及び八代海等を豊かな海として再生することを目的とする。第四条 主務大臣は、有明海及び八代海等の海域の特性に応じた当該海域の環境の保全及び改善並びに当該海域における水産資源の回復等による漁業の振興に関する施策を推進するため、有明海及び八代海等の再生に関する基本方針(以下「基本方針」という。)を定めなければならない。
第五条 関係県は、基本方針に基づき、当該関係県の区域内の指定地域について、有明海及び八代海等の海域の特性に応じた当該海域の環境の保全及び改善並びに当該海域における水産資源の回復等による漁業の振興に関し実施すべき施策に関する計画(以下「県計画」という。)を定めるものとする。2 県計画においては、次に掲げる事項を定めるものとする。
一 有明海及び八代海等の海域の環境の保全及び改善並びに当該海域における水産資源の回復等による漁業の振興に関する方針二 有明海及び八代海等の海域の環境の保全及び改善並びに当該海域における水産資源の回復等による漁業の振興のための次に掲げる事項イ 水質等の保全に関する事項ロ 干潟等の浄化機能の維持及び向上に関する事項ハ 河川における流況の調整及び土砂の適正な管理に関する事項ニ 河川、海岸、港湾及び漁港の整備に関する事項ホ 森林の機能の向上に関する事項ヘ 漁場の生産力の増進に関する事項ト 水産動植物の増殖及び養殖の推進に関する事項チ 有害動植物の駆除に関する事項三 前号に掲げる事項に係る次に掲げる事業の実施に関する事項イ 下水道、浄化槽その他排水処理施設の整備に関する事業ロ 海域の環境の保全及び改善に関する事業ハ 河川、海岸、港湾、漁港及び森林の整備に関する事業ニ 漁場の保全及び整備に関する事業ホ 漁業関連施設の整備に関する事業四 有明海及び八代海等の海域の環境の保全及び改善並びに当該海域における水産資源の回復等による漁業の振興のための調査研究に関する事項第十五条 河川管理者及び同法第四十四条第一項に規定するダムを設置する者は、有明海及び八代海等の海域の環境の保全及び改善を図るため、ダムの貯留水を利用して、当該ダムの目的に支障のない範囲内において、河川の流況の調整に努めなければならない。第十八条 国及び関係県は、有明海及び八代海等の海域の環境の保全及び改善並びに当該海域における水産資源の回復等による漁業の振興を図るため、次に掲げる調査を行うとともに、その結果を公表するものとする。一 干潟と有明海及び八代海等の海域の環境との関係に関する調査二 潮流、潮汐等と有明海及び八代海等の海域の環境との関係に関する調査三 有明海及び八代海等の海域に流入する水の汚濁負荷量と当該海域の環境との関係に関する調査四 有明海及び八代海等の海域に流入する河川の流況と当該海域の環境との関係に関する調査五 有明海及び八代海等の海域に流入する河川の流域における森林と当該海域の環境との関係に関する調査六 土砂の採取と有明海及び八代海等の海域の環境との関係に関する調査七 有明海及び八代海等における赤潮、貧酸素水塊等の発生機構に関する調査八 有明海及び八代海等の海域の環境と当該海域における水産資源との関係に関する調査九 前各号に掲げるもののほか、有明海及び八代海等の海域の環境並びに当該海域における水産資源に関する調査2 国及び関係県は、前項各号に掲げる調査の推進等を図るための漁業者等との連携を含めた総合的な調査研究の体制の整備、赤潮の防除技術の開発その他の有明海及び八代海等の海域の環境の保全及び改善並びに当該海域における水産資源の回復等に係る研究開発の推進及びその成果の普及、研究者の養成等の措置並びに有明海及び八代海等の海域に流入する水の汚濁負荷量の総量の削減に資する措置を講ずるものとする。第十九条 有明海及び八代海等の海域において水産動植物の養殖の事業を営む者は、のりの品質の向上等のために使用する酸処理剤及び肥料の適正な使用等当該海域の環境の保全について適切な配慮をしなければならない。第二十一条 国及び地方公共団体は、有明海及び八代海等の海域において赤潮等による漁業被害が発生した場合においては、その経営に影響を受ける水産業者その他の関係事業者に対し、必要な資金の確保又はその融通のあっせんに努めなければならない。2 国及び地方公共団体は、代替となる養殖漁場等の施設の整備、赤潮の除去に係る措置の実施等に対する支援その他有明海及び八代海等の海域における赤潮等による漁業被害を回避するために必要な措置を講ずるよう努めなければならない。