セミナー「微粒子が引き起こす大気汚染と気候変動(PM2.5の現状)」
PM2.5とは、直径2.5マイクロメートル以下の微小粒子状物質のことで、「ぜんそく」や「気管支炎」などの健康被害を引き起こす原因になると言われています。
今回のセミナーでは、PM2.5を取り上げ、大阪府立環境農林水産総合研究所の 氏に「大阪府のPM2.5の現状」についてご講演いただいた後、気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の報告書の執筆陣のお一人でもある、越境大気汚染に詳しい九州大学応用力学研究所准教授の 氏に、IPCCの最新報告書の概略もご紹介していただき、「微粒子が引き起こす大気汚染と気候変動」と題してご講演いただきます。
①講演1:大阪府のPM2.5の現状
講師:(地独)大阪府立環境農林水産総合研究所 環境情報部
環境調査グループ 副主査 西村 理恵 氏
②講演2:微粒子が引き起こす対汚染と気候変動
講師:九州大学 応用力学研究所 地球環境力学部門
准教授 竹村 俊彦 氏
③質疑応答・意見交換
開催日時:平成26年4月24日(木) 14:00~16:45
場所:おおさかATCグリーンエコプラザ内ビオトーププラザ
主 催 おおさかATCグリーンエコプラザビジネス交流会 水・土壌汚染研究部会
大阪環境産業振興センター実行委員会・ビジネス交流会
受講料 1,000円
(但し、行政担当者、おおさかATCグリーンエコプラザ出展企業、水・土壌汚染研究部会会員は無料)
会 場 おおさかATCグリーンエコプラザ内 ビオトープ・プラザ
お申し込み
〒559-0034 大阪市住之江区南港北2丁目1-10 ATCビル ITM棟11F
おおさかATCグリーンエコプラザビジネス交流会水・土壌汚染研究部会 水・土壌セミナー係
TEL06-6615-5887 FAX06-6614-1801 E-mail:md @ e-being.jp
<以下はセミナーと直接関係がありません>
微小粒子状物質(PM2.5)とは
- 大気中に浮遊している2.5μm(1μmは1mmの千分の1)以下の小さな粒子のことで、従来から環境基準を定めて対策を進めてきた浮遊粒子状物質(SPM:10μm以下の粒子)よりも小さな粒子です。
- PM2.5は非常に小さいため(髪の毛の太さの1/30程度)、肺の奥深くまで入りやすく、呼吸系への影響に加え、循環器系への影響が心配されています。
- PMの大きさ(人髪や海岸細砂)との比較(概念図)(出典:USEPA資料)
- 人の呼吸器と粒子の沈着領域(概念図)
- 粒子状物質には、物の燃焼などによって直接排出されるものと、硫黄酸化物(SOx)、窒素酸化物(NOx)、揮発性有機化合物(VOC)等のガス状大気汚染物質が、主として環境大気中での化学反応により粒子化したものとがあります。発生源としては、ボイラー、焼却炉などのばい煙を発生する施設、コークス炉、鉱物の堆積場等の粉じんを発生する施設、自動車、船舶、航空機等、人為起源のもの、さらには、土壌、海洋、火山等の自然起源のものもあります。
- これまで取り組んできた大気汚染防止法に基づく工場・事業場等のばい煙発生施設の規制や自動車排出ガス規制などにより、SPMとPM2.5の年間の平均的な濃度は減少傾向にあります。
- PM2.5の生成メカニズム
- PM2.5質量濃度の推移(平成13~22年度)
(出典:微小粒子状物質等曝露影響実測調査)
2.環境基準について
- 環境基本法第16条第1項に基づく人の健康の適切な保護を図るために維持されることが望ましい水準として以下のとおり環境基準を定めています。
1年平均値 15μg/m3以下 かつ 1日平均値 35μg/m3以下
(平成21年9月設定) - この環境基準値は、呼吸器疾患、循環器疾患及び肺がんに関する様々な国内外の疫学知見を基に、専門委員会において検討したものです。
3.注意喚起のための暫定的な指針
- 平成25年2月13日に大気汚染及び健康影響の専門家による「PM2.5に関する専門家会合」の第1回を開催しました。その後、平成25年2月27日に開催された第3回専門家会合において専門家会合報告が取りまとめられ、注意喚起のための暫定的な指針が示されました。
- その後、平成25年前半の実績等を踏まえて、平成25年11月13日に開催された第5回専門家会合において、運用に関する改善策が示されました。
- 環境省では、注意喚起のための暫定的な指針が示されたことを受けて、PM2.5に関する情報を分かりやすく提供するため、「微小粒子状物質(PM2.5)に関するよくある質問(Q&A)」を作成しました。今後も随時情報を追加していきます。
黄砂予測(動画)
黄砂予測(動画)
大気汚染粒子予測(動画)
黄砂(Dust and sandstorm:DSS)環境省
黄砂は従来、黄河流域及び砂漠等から風によって砂塵が運ばれてくる自然現象であると理解されてきました。しかし近年では、その頻度と被害が甚大化しており、急速に広がりつつある過放牧や農地転換による土地の劣化等との関連性も指摘されています。このため、黄砂は単なる季節的な気象現象から、森林減少、土地の劣化、砂漠化といった人為的影響による環境問題として認識が高まっているとともに、越境する環境問題としても注目が高まりつつあります。
なお、日本へ飛来する黄砂の粒子の大きさは4μm付近のものが多く、一部2.5μm以下の微小な粒子も含まれているため、PM2.5の測定値も上昇することがあります。黄砂が輸送される過程で、大気汚染物質の発生が多い地域を通過する場合、これら大気汚染物質とともに飛来することもあります。
環境省と気象庁が提供する黄砂飛来情報に関する総合リンクサイトです。環境省の黄砂観測ライダーによるリアルタイムの黄砂飛来状況や、気象庁の目視観測による黄砂実況ページ及び飛来予測などがご覧いただけます。
黄砂はどこからどのように飛んでくるのでしょうか?黄砂を顕微鏡で見るとどんな形をしているのでしょうか?黄砂の基本について知りたい方のためのページです。
過去の黄砂飛来状況について、概況や黄砂関連データをご覧いただけます。
環境省では日本に飛来する黄砂の物理的・化学的性質を解明するため、「黄砂実態解明調査」を平成14年度より実施しています。
環境省では、黄砂問題に係る科学的知見の整理・収集を行うとともに、我が国の黄砂問題に対する今後の取組について検討しています。また、黄砂問題検討会では、黄砂実態解明調査のデータ解析、評価等も行っています。(黄砂実態解明調査はこちら)
黄砂観測のためのライダーモニタリングシステムの構築、国内5カ所で実施している黄砂実態解明調査、及び黄砂対策に関する国際共同プロジェクト(ADB-GEF黄砂対策プロジェクト)の概要等を紹介しています。また過去の報道発表資料一覧もご覧いただけます。
大気汚染に起因する死者、エイズや糖尿病上回る-WHO報告
3月25日(ブルームバーグ):大気汚染に起因する死者が2012年に世界で約700万人に上り、エイズや糖尿病、交通事故による死者の合計を上回ったことが、国連世界保健機関(WHO)の報告書で明らかになった。
WHOが25日発表したリポートによると、世界の死者の8人中1人の死因が汚染された大気中での呼吸に関連し、世界最大の環境衛生面のリスクとなっている。大気汚染に起因する死者数は従来の推計の約2倍に上っている。
呼吸器疾患や心臓発作、脳卒中、がんなど大気汚染の死に至る危険性のある影響についての理解が以前よりも深まったため、WHOは統計値を修正した。リポートによると、アジアでは12年の大気汚染関連の死者数のうち70%以上を所得水準が低いか、中程度の国々が占めた。
WHOの公衆衛生・環境・健康の社会的決定要因担当局のディレクター、マリア・ネイラ氏は文書で「現在、大気汚染以上に世界の人々の健康に影響を及ぼすリスク要因はあまりない」と指摘。「調査結果は、大気を浄化するために協調して行動する必要があることを示唆している」と述べた。
WHOによると、12年には屋内の空気の汚染に起因する死者が約430万人、屋外大気汚染に関連する死者は約370万人だった。屋内と屋外の死者数の一部は重複している。従来の推計は屋内の空気の汚染に起因する死者が04年時点で約200万人、屋外大気汚染に関連する死者は08年時点で約130万人。