北の都に秋たけて
男女(おとこおみな)の棲む国に 吾等二十の夢数ふ
二八に帰るすべもなし
これは、金沢の旧制第四高等学校(四高)の寮歌「北の都に」の一節です。 金沢の広坂通りに今は「近代文学館」としてこの旧制四高本館が残されています。
秋の季節になりこれから冬の寒さが近づくようになると、この寮歌を高唱して高下駄を
ならして、マントをまとい雪の兼六園や犀川などを逍遥し、お酒をのみながら人生を
語り合っただろう昔の学生が想像されます。戦後、金沢大学となっても歌い継がれて
まさに金大の歴史とも言うべき歌です。
一高は東京、二高は仙台、三高は京都、四高は金沢、五高は熊本に創立されました。
現在、四高本館は「近代文学館」として、四高が生んだ哲学者西田幾多郎、文豪井上靖さん
の資料などが保存されています。またその校庭は中央公園として市民の憩いの場となっています。
金沢大学も金沢城の中にあり、石垣に囲まれて校舎がありました。今はすべて移転し、金沢城
公園として整備されました。しかしその石垣に根付く大樹は大学がありし日の思い出をかもし
だしてくれます。