Quantcast
Channel: 歴史&環境&公徳心ツアー&地方創成&観光産業振興
Viewing all articles
Browse latest Browse all 1050

外国人客2000万人 目標達成へさらに知恵を

$
0
0
外国人客2000万人 目標達成へさらに知恵を
2014.7.27 03:05主張
 日本を訪れる外国人旅行者は昨年初めて1千万人を超えたが、今年はさらにそれを上回るペースで増えている。
 日本政府観光局の推計だと、今年上期(1~6月)の外国人客数は前年同期比26・4%増の約626万人で、上期としては過去最高だった。
 政府は、東京五輪開催の2020年には、来日客数を年2千万人とする新たな目標を掲げているが、その達成はいよいよ現実味を帯びてきたといえる。
 富士山の世界文化遺産に続いて、和食が無形文化遺産に登録されるなど、日本に対する世界の関心は高まっている。「観光立国」を成長戦略の一環と位置づける政府は、この機を逸することなく知恵を絞るべきだ。日本経済の底上げに結びつけてほしい。
 外国人客が増えている背景としては、円安傾向の継続に加え、昨年7月にタイやマレーシアなど東南アジア向けのビザ発給要件が大幅に緩和されたことが大きい。海外と結ぶ格安航空会社(LCC)の路線が増え、3月から羽田空港発着の国際線が拡充されたことも追い風になっている。
 ただ、「2千万人達成」を確実にするには、東京や京都など主要都市に集中しがちな訪問先を地方にも誘導するなど、知られざる多様な日本の姿を積極的に紹介していく態勢づくりが必要だ。
 沖縄県では今年上期の外国人客数が40万人を超え、前年同期比で1・7倍にもなった。台湾に加えて韓国や中国本土、香港などに地理的に近い立地を生かし、外国人客の積極的な誘致に取り組んできた成果だが、離島でのダイビングなど外国人客呼び込みの観光資源掘り起こしも奏功した。
 観光立国の実現には、こうした地域の取り組みに加え、国を挙げての支援が欠かせない。
 政府は、インドネシア、フィリピン、ベトナムでもビザの発給要件の緩和や免除を行う方針だ。これまでの実績を参考に、着実に進めていくことが重要だろう。
 今年10月からは、消費税の免除対象を食品や酒、化粧品などにも広げ、大都市に集中する免税店も全国的に増やすという。
 観光産業は、交通から宿泊、物販、飲食まで裾野が広く、経済の波及効果が大きい。とりわけ、人口減や経済の低迷に悩む地方への観光客誘導は、その意味でも最優先すべき政策課題だ。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 1050

Trending Articles