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 熊野那智大社(那智勝浦町)のアジサイが、見頃を迎えている。広さ約150平方メートルのアジサイ園や参道で、ガクアジサイ、ヤマアジサイ、タマアジサイなどの約2500株が、淡い赤や青などの大輪を咲かせている。普段は園内には入れないが、14日から今月末まで一般開放される。
 同大社の拝殿では梅雨時の無病息災を願って、14日午前9時から巫女(みこ)たちが「豊栄の舞」を舞う「紫陽花(あじさい)祭」が行われる。
 今年、巫女になったという西山千遥さん(18)は「こんなにきれいなアジサイはあまり見かけません。梅雨時はとくにきれいです」と話していた。(杉山敏夫)
 
 
 
 
 
「熊野古道・大辺路街道」の魅力や課題 刈り開き隊副代表の神保さん講演
 

 
南紀国際交流協会の会員に熊野古道大辺路について話す神保圭志さん(和歌山県串本町串本で)
 南紀国際交流協会はこのほど、和歌山県串本町串本の町文化センターで総会を開いた。総会後の記念講演では、熊野古道大辺路刈り開き隊副代表の神保圭志さんが「熊野古道・大辺路街道について」と題して話した。

 総会後の記念講演は恒例で、ことしは地域をもっとよく知ることが外国から来る人に地域を紹介する上で大事という観点から、県世界遺産マスターや町文化財保護審議委員会委員なども務める神保さんを講師に招いた。
 
 


 神保さんは熊野古道大辺路について、町内の古地図や古文書の一節などを用いながら紹介。大辺路に古道は残っていないのではないかといわれる理由として、浜伝いの道が多く、鉄道や自動車道に置き換わったことを挙げた。現在、浜の道は残っていないが「平見越え」のルートには古道が残っている所もあるという。

 大辺路は田辺市から海岸部を通り那智勝浦町に至るルートで、このうち世界遺産への登録は約10キロ。串本町内は登録されていない。

 串本町を通る大辺路の特徴について、石畳や石段も残り、石碑や石仏が多いことや、町屋の残る町並みがあること、長沢芦雪ら文人墨客の足跡があることなどを挙げた。中辺路にまねできない点は、ウバメガシなどの自然豊かな照葉樹林や海岸景観が美しいことだとし「中辺路のように上皇、公家が通った道ではないが、負けないほど多くの魅力にあふれている」と強調した。

 古道の維持管理や顕彰、活用を大辺路刈り開き隊が中心に行っているが、メンバーが高齢化しており、これからどう守っていくかが課題だという。大辺路でまだ世界遺産に登録されていない所の追加登録を目指す動きがあることや、南紀熊野ジオパーク構想と世界ジオパークへの登録を目指していることなども話した。

 大辺路を歩く外国人観光客は少ないが、世界遺産への追加登録や世界ジオパークへの登録がされると外国人も増え、南紀国際交流協会の役割も大事になってくると思うとし、国際化への対応、受け入れ態勢の準備をすることを勧めた。

 自分たちの活動について「究極の目的は地域活性化。世界遺産は文化財の維持の意味があるが、ジオパークは観光活用で地域を活性化しようというのが目的。そのためには、串本は課題として風情、自然、景観、文化の保全をしないといけない」と締めくくった。

■会長に西畑さん再選 

 総会では、7月にトルコ姉妹都市青少年団が来町する際の歓迎レセプションへの参加、11月に開かれる町展での活動の紹介や研究発表、来年1~3月の一般成人を対象とした英会話講座の実施などの本年度事業計画を決めた。役員改選では会長に西畑栄治さん、副会長に丸石敏清さんと向井和美さんが再選された。


(2014年06月10日更新)