追悼集会で朴政権退陣要求
2014.5.18 00:04[韓国]
韓国の旅客船セウォル号の沈没事故の犠牲者を追悼するため、ソウルで17日夕、朴槿恵政権に批判的な労働組合や市民団体が大規模な集会を開いた。登壇者の多数が政権を非難し、集会後の行進では「朴槿恵は退陣しろ」とのシュプレヒコールも上がった。
主催者側は、危険な運航を許し救助に手間取った政権が、責任追及を封じ込めようとしていると主張。政府の事故対応への評価は6月の統一地方選に大きな影響を与える見通しだ。
一方、検察などの捜査で、船の運航会社、清海鎮海運の物流担当者が出港前、荷役業者の作業員に「荷を積めるだけ積め」と指示し、荷の固定も手を抜くよう指導していたことが判明。検察は、上層部の指示があったとみて、会社の事実上のオーナーとされる兪炳彦セモグループ元会長らの関与の解明を進めている。(共同)
「積めるだけ積め」と指示 セウォル号、倍の過積載に
2014.5.17 10:36[韓国]
韓国の旅客船セウォル号の沈没事故で、運航会社、清海鎮海運の物流担当者が出港前、コンテナや車両を運び込む荷役業者の作業員に、「荷を積めるだけ積め」と指示し、荷の固定も手を抜くよう直接指導していたことが17日までの検察の調べで分かった。
セウォル号は改造で重心が上がっていたことに加え、規定の約2倍の重さとなる約2100トンの荷を積載。規定通りの固定もしなかったため、急旋回で荷が片方に崩れ、転覆したとみられている。
検察は既に業務上過失致死容疑などで同社の物流担当次長キム・ジョンス容疑者(44)らを逮捕。経営方針に基づく上層部の指示があったと見て、会社の事実上のオーナーとされる兪炳彦セモグループ元会長らの関与の解明を進めている。(共同)
運航会社オーナー一家、出頭拒否し捜査に抵抗 側近ら既に逮捕
2014.5.14 08:50[韓国]
韓国の旅客船セウォル号沈没事故で船の運航会社、清海鎮海運の事実上のオーナーとみられる兪炳彦(ユ・ビョンオン)・セモグループ元会長の家族が合同捜査本部による捜査に抵抗、事情聴取を拒否したり逃亡したりしている。
合同捜査本部は、同社が船の転覆につながった過積載運航を続けたのは、利益を優先する兪氏の経営姿勢が背景にあると判断。兪氏らへの背任や横領容疑での捜査を急ぎ、側近ら数人を既に逮捕した。韓国メディアも兪氏一家の疑惑を大きく取り上げ、危険な運航を見逃してきた海運当局と業界との癒着よりも兪氏一家の蓄財に焦点が当たり、兪氏側は行政の問題点を隠す目的で狙い撃ちされていると反発しているもようだ。
捜査本部は13日、兪氏の長男の令状を取って自宅に入ったが長男は逃亡。海外にいる金庫番の次男や娘も数回にわたる出頭要請を無視している。捜査本部は兪氏が16日までに聴取に応じるよう求めているが、兪氏が主導的立場にいる宗教団体の信者が捜査妨害の動きも見せている。(共同)
改造の危険性隠しフィリピンに売却図る 重心上がり積載可能重量半分以下に
2014.5.13 10:10[韓国]
韓国の旅客船セウォル号沈没事故で、運航会社の清海鎮海運が、改造の結果同船の重心が上がり、不安定で危険な状態になったことを隠して、売却交渉を行っていたことが13日、分かった。合同捜査本部の関係者が明らかにした。
捜査本部関係者によると、清海鎮海運は3月に船舶の売買サイトに同船を約1600万ドル(約16億4千万円)で売ると公示。事故直前の4月初旬からフィリピンの買い手と交渉を始めたが、改造で重心が上がった事実は一切伝えていなかったという。
韓国海洋警察などによると、同社は2012年に中古で船を購入後、5階客室を増築するなどし、船体重量が建造時より800トン以上増加。船の重心が51センチ上がり、不安定さが増したため、積載可能な貨物の重量が改造前の半分以下の約980トンになった。しかし同社はこれを無視して過積載運航を常態化させたことが分かっている。(共同)
米紙に朴大統領批判の全面広告 旅客船事故「報道を検閲」「遺族慰めもやらせ」
2014.5.12 11:11[韓国]
11日付の米有力紙ニューヨーク・タイムズは、韓国の旅客船セウォル号沈没事故をめぐる朴槿恵大統領の危機対応を批判し、メディアも検閲を受けて真実を報道していないとの全面広告を掲載した。広告主は「韓国民主主義運動」という団体名になっている。
広告は旅客船が転覆して海に沈んでいく様子を描いた図柄とともに「真実を明らかに。韓国人はなぜ朴大統領に激怒しているのか」という見出しを付けた。
生存者が見つからない救助活動を「朴政権の指導力不足と無能さ、怠慢ぶりを見せつけた」とし、主要メディアは「政府の検閲によって沈黙している」と非難した。
さらに「朴大統領が犠牲者の関係者を慰めたとする映像も実際には無関係の女性で、主要メディア向けの演出だった」と断定し、情報操作だったと主張した。(共同)
救命いかだ、検査せずに虚偽書類 整備会社…20年前取り付けたまま
2014.5.11 22:42[韓国]
韓国の旅客船セウォル号沈没事故で、ことし2月に救命いかだの安全点検を行った整備会社が、実際には全く検査せず、いかだの状態は「良好」とする書類を作成、政府から管理を委託された業界団体に提出していたことが11日、合同捜査本部の調べで分かった。
救命いかだは、船が建造された20年前に取り付けられ、交換されず使用。固定器具がさびていた上、船体を塗り直した塗料で甲板にくっついて使えなかったとみられている。イ・ジュンソク船長(68)=業務上過失致死容疑で逮捕=らは、いかだが使えないことを認識し、発覚を恐れて乗客に退避を命じなかった可能性がある。
合同捜査本部は、整備会社の次長を10日に拘束し、業界団体に対する業務妨害容疑での逮捕を検討。手抜き検査を見逃した同団体の管理態勢も捜査する。(共同)
救命いかだ使用不能、事故前から認識の疑い 韓国船沈没
2014.5.5 10:18[海難事故・水難事故]
韓国の旅客船セウォル号沈没事故で、甲板に設置されていた40以上の救命いかだのほぼ全てが使用不能で、乗員が事故前からそのことを認識していた疑いが強まっている。船員らは沈没直前、船内放送で乗客に待機を指示し、犠牲者が拡大した。
乗客が脱出を図ればいかだの欠陥が発覚するため、あえて待機を命じた可能性があり、捜査当局は逮捕したイ・ジュンソク船長(68)らを追及している。
甲板にはカプセルに入った救命いかだが備えられ、正常なら、カプセルを海に落とせば中からいかだが飛び出し、甲板に付いたまま水没すれば固定器具が自動的に外れ、いかだが海面に浮き上がる仕組み。しかし、沈没直後に浮かんだいかだはなかった。
救助活動を行った韓国海洋警察の警察官は、甲板からカプセルを海に落とそうとしたが、固定器具がさび付き、手で外せなかったとメディアに証言。
この警察官は2つのいかだを足で海に蹴落としたが、うち1つは開かなかった。(共同)
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運航会社代表を逮捕 過積載、マニュアル整備に訓練・脱出装備点検怠る
2014.5.8 11:41[韓国]
【ソウル=加藤達也】韓国旅客船「セウォル号」の沈没事故で、合同捜査本部は8日朝、船の運航会社、清海鎮海運のキム・ハンシク代表を逮捕した。韓国の聯合ニュースよると、合同捜査本部はキム代表が、過積載で運航に危険が及ぶ可能性があるにもかかわらず放置し、事故につながったとみている。
逮捕容疑は業務上過失致死、業務上過失船舶埋没、船舶安全法違反。
捜査本部は、キム代表がセウォル号を保有する船会社の最高責任者として、避難マニュアルの整備と訓練実施、脱出装備の点検など安全運航のために取らなければならない措置を怠ったとしている。
沈没の重大な要因とみられている過積載についても、キム代表の承認なしでは積み込みの許可は出せなかったとみており、過積載の経緯についても追及する。
過積載隠し「重し」減らす、安全点検なし
2014.5.5 23:48[韓国]
韓国南西部、珍島沖で沈没した旅客船セウォル号が過積載を隠すため、船のバランスを保つ重しとしてタンクに入れる海水「バラスト水」を安全基準の4分の1強しか積まずに航行していたことが韓国政府の合同捜査本部の調べで分かった。韓国メディアが5日報じた。
船は基準の数倍の過積載をしており、船体が沈み過ぎることを避けるため、バラスト水を大幅に減らしたという。このため重心が上がり、転覆しやすい危険な状態にあったとみられる。
捜査本部によると、セウォル号の乗員は航海前に義務付けられている船舶の安全点検を行わないまま、全ての項目に「良好」と記載した点検報告書を出発地の仁川港の運航管理室に提出していた。乗員は虚偽の報告書を「慣例的に」作成していたとも供述しており、安全確認がないままの航行が常態化していた疑いが強まっている。(共同)
事故は「人災」 北朝鮮、韓国政権を非難
2014.5.5 22:51[韓国]
北朝鮮の朝鮮中央通信は5日、韓国の旅客船沈没事故に関し論評を配信した。不手際が目立つ韓国政府の事故対応を「無能、無責任」と非難し、事故は朴槿恵政権がもたらした「特大の悲劇であり、人災だ」と主張した。
北朝鮮による朴氏批判は最近エスカレートしており、5日の論評も朴氏を「哲学も政治も知らない真の無知、売国の化身」とののしった。(共同)
「朴大統領を呼び捨て」「口にできない罵詈雑言」 韓国統一省、北朝鮮を非難
2014.4.28 15:34[韓国]
韓国統一省の報道官は28日の記者会見で、核実験に向けた北朝鮮の動きをけん制した韓国の朴槿恵大統領を北朝鮮が呼び捨てにして非難したことについて「到底口にできないような罵詈雑言を続けるのは人倫に反している」と批判した。
報道官は「韓国政府は最低限の人間的な生活も保障されない北朝鮮住民を助けようと共生の道を提案したが、北朝鮮は強引な主張を持ち出して拒否した」と述べ、人道支援拡大などをうたった朴氏の南北統一構想を受け入れていない北朝鮮を非難した。
北朝鮮の対韓国窓口機関、祖国平和統一委員会は27日、朴氏の在任中は「北と南の関係で何も期待するものがなくなった」と主張し、朴氏を厳しく非難していた。(共同)
北、中傷の中止は中断 朴槿恵大統領を「井の中の蛙」「気むずかしい」
2014.4.1 20:39[北朝鮮]
【ソウル=加藤達也】韓国の朴槿恵(パク・クネ)大統領が3月末にドイツで行った南北交流拡大を呼び掛けた演説に北朝鮮が強く反発、朴大統領に対する個人攻撃を激化させている。やまない中傷に韓国政府も1日、「ならず者も口にしない表現を使った」と不快感を表明。双方が2月に合意した誹謗(ひぼう)中傷の中止は事実上破綻した格好だ。
1日付の朝鮮労働党機関紙、労働新聞は、朴氏が「朝鮮半島平和統一に向けた構想」と題した演説で、北朝鮮は子供たちが飢えに苦しむ経済難にあると指摘したことに「同族に対する耐え難い愚弄、冒涜(ぼうとく)だ」と反発した。
同紙はまた、朴氏が掲げる「統一」を「尊厳高いわれわれの思想と制度を害する反民族的な体制統一の思惑だ」と指摘。
朴氏を名指しして、「井の中の蛙(かわず)」や「気むずかしいオールドミス」など、差別表現も辞さずにののしった。
北朝鮮は先日も朴氏のオランダ、ドイツ歴訪について「やぼったい歩み」などと非難。統一問題を担当する統一戦線部の傘下機関、祖国平和統一委員会は朴氏を「わけの分からないことを言い立てる女」などと酷評していた。