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応永の外寇

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 応永の外寇(おうえいのがいこう)は、日本史の時代区分では室町時代応永26年(1419年)に起きた、李氏朝鮮による対馬攻撃を指す。対馬の糠岳(ぬかだけ)で戦闘が行われた事から糠岳戦争とも。朝鮮では己亥東征という。
 

戦闘の経緯

対馬侵攻の決定

 
  侵攻軍は三軍(右軍・中軍・左軍)で編成され李従茂を司令官とし、軍船227隻、兵員17285人の規模であり、65日分の食糧を携行していた。

対馬上陸と糠岳での戦闘

 朝鮮軍は6月19日巨済島から出航、6月20日昼頃に対馬の海岸(尾崎浦)に到着した。(尾崎浦は当時、早田氏の領土であった)対馬住民たちは、侵攻軍の前衛10隻程度が現れると、仲間が帰ってきたと歓迎の準備をしていたが、大軍が続いて迫ると皆驚き逃げ出した。
 これに対馬軍が朝鮮軍の上陸を防ぎ立ち向かうが不利なので撤退する。(朝鮮側史料ではその状況を、ただ50人ほどが抵抗したが、崩れ険阻な場所へ走り込んだ、と記録している。)上陸した朝鮮軍は、まず対馬の守護である宗貞盛に使者を送り降伏を勧誘した。だが答えがないと、朝鮮軍は道を分けて捜索し始め、島内を船129隻を奪い、家1939戸を燃やし、この前後に114人を斬首、21人を捕虜とした。
 以後、朝鮮軍は船越を占領、柵を設置して島の交通を遮断し、長く留まる意を示す。その後、李従茂は部下を送り島を再度捜索し、加えて68戸と15隻を燃やし、9人を斬った。
 そして仁位郡まで至り、再び道を分けて上陸した。しかしその頃、朴実が率いる朝鮮左軍が、糠岳で対馬側の伏兵と会い、百数十人が死に、4人の武将を失う。だが朝鮮右軍がこれを助け対馬側を退けた。日本側の同時代記録(8月7日に幕府に届いた少弐満貞の注進状)でも6月26日に大規模な戦いが生じたことが報告されている。
 
 

高麗・李氏朝鮮の対馬侵攻

 
 高麗・李氏朝鮮の対馬侵攻は、14世紀末から15世紀初めにかけて行われた、高麗李氏朝鮮正規軍による対馬への侵攻。倭寇の根拠地と目された対馬壱岐も目標とされた)を攻撃することで、その根絶を図るというのが口実であった。
 

1389年の侵攻

 「高麗史」、「高麗史節要」によれば1389年2月、戦艦300艘による対馬侵攻が行われ、朴葳を司令官として、金宗衍、崔七夕、朴子安が従った。
 日本船300艘と沿岸の建物を焼き尽くした。帰国後は昌王名義で賞賛されている。なお、捕虜にした倭寇はいなかった。これを理由に、留守中の敵陣をただ焼き討ちして来ただけではないのか、と周囲から批判も受けている。
 日本側史料では「宗氏家譜」(1719年)に2月18日に高麗軍を追い返したとある。これを称して「康応の外寇」という。
 ただし、これは「高麗史」を参考に記述したもので、この件での日本側の記録は存在しなかったものとみられる。また、「対州編年略」(1723年)は須茂三位法眼と早田氏の兵が、「津島紀事」(1809年)は藤宗慧、宗永と早田丹後、日下部土佐の兵が敵に当たったとある。ただし、これらも「高麗史」を参考にした上で後世の伝承を採用したもので、14世紀には存在しなかった地名が挙げられるなど確かなものとはいえない。
 
 これを韓国では、「第1次対馬征伐」と称している。上記のこと以上の記録はないが、現代の韓国では激戦の末に降伏させた大勝利とされている。
 
 

1396年の侵攻計画

 朝鮮王朝実録によれば1396年12月、李成桂が壱岐・対馬討伐を命じた。 門下右政丞金士衡を五道兵馬都統処置使に任じ、南在、辛克恭、李茂を配下につけ、出立に当たっては成桂が南大門まで見送った。
 日本側史料では、この時期に朝鮮軍の侵攻があったという記録はない。
 ただし実録には以下の記録がある。1397年1月に慶尚道蔚州浦で降伏した倭寇首領の羅可温(ナガオン)、子の都時老(ツシラ)、配下の昆時羅(コンシラ)が役人を人質にして逃亡するという事件があったが、2月10日には朝鮮の官職を与えて帰順させたとある。
 また、1398年2月、倭寇首領の六、羅可温、望沙門(マンサムン)等に官職を与えるとともに、それぞれ藤六、林温、池門と改名させたという。
 士衡は翌年1月30日に帰還して出迎えを受け、2月8日に宴席を設けられているので、何らかの功績は認められたようである。
これを韓国では、「第2次対馬征伐」と称している。李朝では以後も倭寇の帰順や帰化政策を進めるが、対馬では宗貞茂の死後の混乱により活動が活発化する。

1419年の侵攻

詳細は「応永の外寇」を参照。
これを韓国では、「第3次対馬征伐」と称している。

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